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■2006年3月19日
 topページを制作し、書影データベースへのリンクを張りました。

手塚治虫/酒井七馬『新寳島』

手塚治虫/作画、酒井七馬/原作・構成、1947年1月30日初版、育成出版/刊
いわずと知れた手塚治虫のデビュー単行本だが、手塚の原画が酒井によって大幅に修正されたことや、本の裏に「サカイシチマ作」とだけ記されていることに、手塚はかなり不満であったといわれる。この『新寳島』はゾッキ本が多いうえに、元がかき版で製作されているため、版によって絵柄が相当異なる。松本零士氏によれば、手塚治虫は複数の漫画家の共通ペンネームだと思われたことすらあったらしい。
資料によっては昭和22年4月が初版となっているが、後に昭和22年1月30日初版と奥付に明記された初版本が見つかった。初版本はハードカバー製本である。

手塚治虫『怪人コロンコ博士』

手塚治虫/作、1947年9月初版、同盟出版/刊
この時期の手塚作品にしてはめずらしく東京の出版社から刊行された。そのために手塚ファンの多くが買いそびれてしまい、結果的に古書価が高騰することになった。なお、ここに掲載した画像は復刻版からのものである。

手塚治虫『妖怪探偵団』

手塚治虫/作、1953年5月初版、東光堂/刊

手塚治虫『ジャングル魔境』

手塚治虫/作、1951年初版、東光堂/刊
赤本は一般にかき版で製作されていたが、この『ジャングル魔境』を刊行した東光堂は、写真製版によって地道な製作を行っていたといわれる。

手塚治虫『流線型事件』

手塚治虫/作、1948年11月初版、葛城書房/刊
この本は、たしか函入りのものが一度、まんだらけの目録に掲載されたことがあったはず。

memoその1

『新寳島』は一般に40万部売れたといわれるが、この数字は同盟出版が手塚に伝えたものである。実際には80万部以上売れたという指摘もあるが、ゾッキ本も多々出回っていたため、『新寳島』の正確な発行部数を推定するのはきわめて難しい。なお、昭和20年代後半の版は、題名が『新宝島』と新字体になっているようだ。

memoその2

『新寳島』は初版本にのみ奥付が入っていた。松本零士氏が自分のコレクションをもとに作成した資料では、まだ初版本が発見される前だったので、『新寳島』は昭和22年4月初版とされている。

memoその3

『新寳島』は今日に至るまで復刻されていない。講談社手塚治虫漫画全集が企画された当初も、手塚は『新宝島』の収録を断っている。このときは手塚があらたな作品として書き下ろすことで決着がついた。したがって、講談社の全集版の『新宝島』で描かれている内容は、育英出版の『新寳島』とはずいぶんと異なる。とくに冒頭のピートくんが自動車を走らせる場面は、育英出版のオリジナル版ではかなりコマが少ない。