21世紀の日記 |
|
20世紀の日記 |
|
98年6月の日記は、パソコン通信NIFTY-Serveの「外国語フォーラムロマンス語派館」に書き散らしていたものを再編集したものです。ただし、タイトルは若干変更したものがありますし、オリジナルの文面から個人名を削除するなど、webサイトへの収録にあたって最低限の編集を加えてあります。
当時の電子会議室では、備忘録的に書いた事柄もあれば、質問に対する回答もあります。「問いかけ」のような語りになっている部分は、その時点での電子会議室利用者向けの「会話」であるとお考えください。
21日にシャンゼリゼに向かったときは83番のバスに乗ったのだけど、巡回ルートの途中、2時から manif が始まるなんてぇ貼り紙がバス停に出ていた。そして Port Royal駅についたのがちょうど2時ごろで、そのあたりにはデモ隊がぎょうさんおりました。
あとでニュースを見たら、それは homosexuel のデモだった。で、ジャック・ラングも参加しておったそうな。
アマチュアでもOKだったような記憶があるんですが、圧倒的に多いのはプロと音楽学校の学生のようです。
今年は大型トラックを改造した移動ステージで演奏するバンドを2組見ました。
昨日の fete de la musique、例年より出だしが遅かったような気がする。
なにせこれが楽しみでパリに住んでいるようなもんなんで、前日からどのあたりを徘徊するか考えてしまう(笑)。それでもいつも近場にしちゃうんだけどね。去年は主として jardin des plantes を見てまわりました。
うちの近辺だと例年2時ぐらいから近所のモロッコ料理屋で生バンドがロックを始めるんだけど、昨日はどこからも音が聞こえなかった。W杯の影響か日曜ってことなのか、今年は地味なのかいな、なんて心配したもんです。でも前日バスで assemble nationale の前を通ったときは、けっこう大がかりなコンサートの準備をしてはいたんで、やるところはやるだろう、なんて思ったが。
だけど6時ごろからぼちぼちと、8時から一斉に各レストランやら交差点で始まりましたね。わしらは6時ちょい前に Canon des Gobelins つー「待ち合わせカフェ」に行ったのだけど、道を挟んだ向かいにロック・バンドが1組。彼らは毎年来ています。どちらかというとヘビメタ系。
ここで1時間ちょい眺めてから place d'Italie へ。Avenue des Gobelins 近辺もバンドが多いとこなんで、もしやと思ったのだけど、どこからも音が聞こえてこない。でもロータリーまで着いたら、二ヶ所からシンセと太鼓の音が聞こえてきた。シンセの方は Gaumontの前で、太鼓の方はバス・ターミナル近辺でした。この太鼓が良かった。パンフレットを配っていた人によれば、セネガルの民族音楽なんだそうだ。
ここで30分ほど立ち聴きしたあと、Avenue des Gobelins を自宅方面に下ると、途中で一ヶ所、演奏の準備をしているバンドがいた。いつから始めるのか尋ねたら8時ごろから、とのこと。そのときは7時だったのだけど、ころあいよく腹が減ったので近くにあったインド飯屋に入ったのだった。
で、その隣りにあるスペイン飯屋の前でギターのアンサンブルが始まったのが7時半ごろ。そしてインド飯屋でも8時ごろからタンゴのダンサーペアが踊りを始めた。わしらのテーブルは両方の店のちょうど境界線だったので、正面からはギター、背後からはタンゴという板挟み状態でしたね(笑)。
メシが終わってからさきほどのバンドのところに行くと、けっこうな人垣ができてました。時間は8時半、まだまだ日は高い。ここもロック系だけど歌がうまかった。パリで聴く“Englishman in New York”も味があっていい(笑)。ここで30分ぐらい聴いてたかな。
9時ごろになると、さすがに日が陰ってきて、しかも風が強まってきたんで退散しました。Gobelins交差点の方は相変わらず盛り上がっていた。2時ぐらいまで大騒ぎしてましたがね。
やっぱパリは夏至の日が最高ってことを再確認(笑)。
個人的には、W杯終了後にトゥルーズやナントの人たちが、日本や日本人に対してどういうイメージの「転換」があったか、なんてことに興味がありますね。ひそかに『ワールド杯で日本がフランスに残したもの』なんて出版企画を考えております(笑)。
今日は久々にシャンゼリゼに行ったのだけど、いやもう暑かった。ボルドーは37度まで上がったらしいですが。
前半が終わったあとのダフ屋レートが 2000 Frs だったそうです。完全にカモにされてますね>日本人サポーター。
高いチケットを買ってまで観たいと思うかどうかは趣味の問題だが、日本は本当に不況なんだろうかと思ってしまうぞ。
うちの両親もずっと客商売をしてたんですが、一見の客でも印象に残る人は何年経っても忘れないようです。ただ、この印象というのがかなり偶発的なもののようで、べつに目立つ人だから印象に残るってわけでもないみたいですね。
かつてまだ AOMの日本便が存在していたころ(笑)、一往復だけ利用したことがあります。で、パリ・東京と東京・パリとで偶然おなじクルーが一人いたのだけど、彼がぼくのことをたまたま覚えていてくれました。そのときもやっぱ "Mais je vous ai vu !" というセリフが出てきましたね(笑)。
このときのパリ→東京のフライトでは、当時フランスF3レースに参戦していた酒井選手が隣の席にいて、いろいろと話し込んだり、住所を教えあったりしました。その4年後、すがやみつるさんが取材でイギリスに行ったとき、片山右京から酒井選手を紹介されたそうです。で、すがやさんには酒井選手に会ったことがあるって話を以前したので、すがやさんがその話を持ち出したら、そのときの酒井選手はぼくのことはまったく覚えていなかったそうです(笑)。
まあ、男たるもの、機内であった若い女以外は覚えちゃいないでしょうね(笑)。
いくらでも買う日本人があれだけいるって状況をさんざん報道されてしまったから、いまどき「100フラン以下なら」はもうダメでしょうねえ。やっぱ狙い目はクロアチア対ジャマイカ戦みたいなカードじゃないのかな。足下を見られないようにするためには、日本人全員が「関西化」せにゃあかんのとちゃうか。
長野五輪ではアイスホッケーの決勝チケットに10万の値が付いたそうだけど、ビッグ・イベントの人気カードだと「10万円以上」がもうあたりまえなのね。
2000 Frs を高いと感じるかどうかは、思い入れ次第でしょう。だってこの額、パリ市内の★★★レストランでコース・メニューと高いワインを注文すれば行っちゃうでしょ?
それでも満足して美食に励む人がいるように、2000 Frs 以上出してもサッカーを見たい人がいたって不思議はない。おれだって 2000 Frs 払えばモナコGPのミラボー・コーナーが見える席に招待してもらえるって言われれば、そのくらいは喜んで出しちゃいます。マンガ古本の世界など、虫コミックスの『魔法使いサリー』が6万円で売れちゃう状態だぞ(笑)。
なんでもあのトゥルーズに日本人が1.8万人行ったんでしょ?
これはちょっと感動的でしたねえ。パリ以外の街にこれだけの東洋人がまとめて集まるなんてことは、もしかしたら二度とないかもしれない。Francophile の一人としては、動機がなんであれ、多くの同朋がパリ以外のフランスを垣間みる機会を持つことは無条件で歓迎したいっすね。
2月に白馬にいたときには、長野のあんなド田舎の普通の飯屋にノルウェー人やオーストリア人たちがごく普通に出入りする光景を目にした。オリンピックでもなければ、白馬に外国の人が来ることなんてないんだよね。W杯や冬期五輪の素晴らしいところは、首都以外の地方に大量の外国人がやってくることだと思うんだが、カモにされているのを承知でフランスの地方都市を巡回するサポーターに、おれはやっぱエールを送りたいっすね。2000〜3000 Frs しようが、満足代だと思える範囲ならいいんじゃないのかな。そのかわり、グッチやエルメスは困るだろうけど(笑)。
そういや昨日の TF1 のニュースで、円安のためにフランスの高級ブランドの売上が軒並み落ちているって報道がありましたね。これって円安以上にW杯の影響が強いんじゃないのかね。まあ、ダフ屋がどれだけ荒稼ぎしようと、フランスに落ちるカネの額は一定ってことなんでしょう。
昭和40年代末のオイルショック不況の光景をくっきり覚えているけど(トイレットペーパー・パニックとかね)、いまの日本は不況なんかじゃないと断言できますぜ。不況感すよ、不況感。これはもう、完全な「自虐不況」ね。80年代以降、経済なんて消費者マインドでいくらでも上下するんだから、不況感が蔓延すれば不況っぽくなっちゃう。日本の裏返しがアメリカ。あっちは「幻想好況」ってやつだよな。
国旗掲揚・国歌斉唱の際の脱帽は、中学で教えられませんでしたか?
ル・マンに出場した選手たちが「フツーの日本人」ならまだしも、あれはいまや車のオリンピックのようなイベントであり、出場選手・チームは国の代表というような意味あいもありますから、誰かが事前にでも教えてしかるべき問題でしょう。日本のチームはすでに優勝経験だってあるのですから。
フランスの学校で教えているか否かの事情は生憎と知りませんが、ヨーロッパみたいになにかと外国との交流がある地域では、どこかでかならず教育されるものなんじゃないでしょうかね。その意味でいえば、日本は日常的に外国を意識する必要がほとんどないからこそ、国旗・国歌に関して無邪気な議論をのんびりとしていられるのでしょう。
そうそう、前発言で訂正。あわてて脱帽したのは鈴木亜久里選手のようです。で、脱帽しかけたけどやめたのが影山、最後までそぶりも見せなかったのが星野、ということらしい。星野だって20年前にはF1にも出たんですけどねえ。
いまのビッグ・イベントはテレビの放映権が収益源になってますので、チケットなんかも広告代理店やスポンサー、メディア関係のルートに大量に流れてしまいます。だから旅行代理ルートだとなかなか手に入らないのも当然だと思う。いくらチケット不足とはいっても、あるところにはあり余っているはずですぜ。
W杯決勝前後はフランスを脱出してイギリスにF1を観に行く予定であります(笑)。そういや来週はフランスGPか。開催場所がポール・リカールに戻れば行きたいとも思うんですけどねえ。
先週は恒例のル・マンが開催され、日本人ドライバーの日産チームが総合3位に入る健闘を見せたけど、表彰式では案の定というか、国旗掲揚・優勝チーム国歌演奏の際に選手は脱帽せんかった。大ベテランの星野だけが途中で気づいたようだけど、鈴木・影山の二人はかぶったまま。鈴木なんてF1で表彰台経験があるはずなのにね。
おれは一般庶民がブティックでブランド品を買いあさる光景などなんとも思わないけど、国際的なイベントに参加する者が国際儀礼を知らないというのは、いかにもみっともないと思いますね。しかも長野五輪の里谷多英でひとしきり話題になったばかりなのにね。
優勝チームにいたフランス人選手は、ドイツ国歌が演奏されるや、インタビュー途中なのにあわてて脱帽してました。彼だけでなく、1・2位チームの選手全員は言うまでもなし。モータースポーツ選手は、表彰台に立つときはタイヤメーカーのカスケットをかぶる契約になっているはずだが、それでも国旗・国歌に対しては敬意を表して脱帽するのが当然の慣習ですね。
あの有名な小便小僧、え、あんなところにあるのがそうなの……というくらい、えらく猥雑な街角にありますよ。本当にアパートの角って感じのところ。でも人垣ができているので、遠くからでもすぐにわかりますが。
まあ、さり気ないところにさり気なくモニュメントがあるというのが、ヨーロッパの街の魅力でもあるんでしょうね。とはいえ、小便小僧の周囲には、例によって「小便小僧まんじう」でもありそうな賑わいではありますが(笑)。
ワールド・カップの日本戦チケットを2,000 Frsで購入した日本人がいる、ということが、ひとしきりフランスのメディアでも話題になった。ただし、それはけっしてバカにしたり揶揄したりというニュアンスではなく、あまりの気前のよさに驚いた、といった感じだ。テレビのインタビューでは、2,000 Frsで売ったフランス人が、これでバカンスの予算が増えたと喜んでいる姿が映されていた。
フランス人にしてみれば、決勝トーナメントの出場が決まったあとの日本 vs ジャマイカ戦のチケットなど、ゴミのようなものだっただろう。それが2,000 Frsに化けたのだから、チケットを持っていた人は宝くじが当たった気分だったのではないか。