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93年9月の日記は、パソコン通信NIFTY-Serveの「外国語フォーラム・フランス語会議室」に書き散らしていたものを再編集したものです。ただし、タイトルは若干変更したものがありますし、オリジナルの文面から個人名を削除するなど、webサイトへの収録にあたって最低限の編集を加えてあります。
当時の電子会議室では、備忘録的に書いた事柄もあれば、質問に対する回答もあります。「問いかけ」のような語りになっている部分は、その時点での電子会議室利用者向けの「会話」であるとお考えください。
これがパリ出発前のラストメッセージになりますので、折角ですから先ほど買ってきたワインの報告を。
先日行ったカーブでみやげ用にと4本買ってきました。エルミタージュをもう一度飲んでみたいと思い、それをまた一本、別の銘柄を3本買いました。
DeLas Crozes-Hermitage 1988, 49 Frs
Medoc Chateau Patache d'Aux 1989 Cru Bourgeois, 65 Frs
Cotes-du-Rhone Gigondas 1990, 95 Frs
この店はCote-du-Rhoneが好きみたいです。最後の一本はここのマダム推奨。
さてさて、そろそろ出発の支度をせねば。飛行機の中でやらなければいけない仕事が多すぎて、今から気が思い。(日本時間18日夜に成田到着予定)
ジュネーブは教会のわきにある古い街並みがきれいですね。石畳の上をフェラーリの疾駆した光景が印象的でした。
スイスは本当に治安がいいらしい。ベルンに行った時、スイス人ピルミンは車を降りる時に窓を開けっぱなしにしていました。カセットステレオさえも取り外して降りるパリの治安に馴れてしまった私は、ついつい心配気に尋ねたものでした。返答は「取る人なんていないからね」という一言。
その日、ピルミンは自宅にしまってあるライフルを見せてくれました。国民皆兵のスイスでは、成年に達すると毎年2週間軍事教練を受けるそうです。射撃訓練にパスした者は、国からライフルを支給される。マシンガンにも変身する銃が家庭にあるにもかかわらず、アメリカのような事件が生じない。スイスの治安の凄みにも似た一面を感じました。
先日、バスが混んでいたので打刻できませんでした。まあいいか、って思ったら、水色の制服を来た女性が二人途中から乗り込んできた。一瞬ドキっとしたけれど、よくよく考えたら、あの制服は今は駐車違反のコントローラだけでした。でも、動揺のあまり次のバス停で降りてしまった。
あと5時間ほどで空港に向かいます。久々の晴れ間。まだ一回はアクセスできるかも知れませんが。
ミッシェルに借りたこの本、大急ぎで漫画の部分を読んでみました。ちょっとその感想をひとくさり。
全体的な印象として、話題の割にいまいちという絵が多過ぎ。CABUがどれほど有名な漫画家かは知りませんが、私はそれほど鋭い視点で物事を観察する人とは思えない。単に物珍しいものを漁るエネルギーに溢れているだけ、というのは言い過ぎだらふか?
ざっと見た感じ、25年前の日本ではないかと思ってしまった。何も出っ歯と吊り目の姿に描かれた日本人に、憤りを感じたわけではない。ただ、十年一日のようなこの表現には、少々うんざりしてしまいました。所詮、旧来のイメージから脱することができず、固定化されたイメージの中で、フランス人にとっての珍奇な情景をあげつらっただけだと思いました。
風刺漫画の命は毒でしょう。パロられた方が思わず笑ってしまうような毒こそが、風刺漫画の醍醐味であるはずです。ところが、CABUの絵からは、せいぜいがすかしっ屁程度の毒しか伝わってこなかった。これでは「笑う」以前にただ「臭い」と感じて終わり。
CABUが鋭く観察した日本の姿、と言われているそうですが、私は少なくとも普通の観光客の視点と変わりがないと思った。なにも観光客を落としめる意志は毛頭ありませんが、ジャーナリストや風刺漫画を書くような人には、感動を与えるような視点をみせつけてほしいと思う。この程度の漫画では、とても日本では通用しないであらふ、というのが漫画ファンの私の結論でございました。
無論、これは私個人の感想でありますゆえ、「面白い!」「鋭い!」とお感じの方がいらしても不思議はないし、当然だと思います。
本文はさすがに速読できない。
近くのスーパーでワインフェアーが始まります。参考までに、チラシに載っていた銘柄の一部をご紹介致します。日仏価格差調査の参考にして下さい。ロワールやアルザスの白は省略しました。
リストは左から銘柄、年、価格、飲み頃です。
1-1. Saint Emilion
Chateau la Cateau 1992 , 16.50Frs, maintenant
Chateau la Tour Figeac 1989, 84.50Frs, 4 ans
Chateau du Cauze 1991 , 39.95Frs, 4 ans
Chateau Tour Cazelon 1989 , 23.95Frs, maintenant
Chateau Marsauda 1990 , 27.95Frs, maintenant
1-2. Graves
Chateau Maure Bellevue 1991 , 17.95Frs, maintenant
Chateau la Mission Haut Brion 1987 , 145.00Frs, maintenant
Saint Estephe Chateau Aillan 1989 , 29.95Frs, 2/5ans
Chateau Bahans Haut Brion 1990 , 89.95Frs, maintenant
Saint Estephe Chateau Calon Segur 1986, 99.95Frs, 2/4 ans
1-3.Haut Medoc
Chateau Lanessan 1987 , 29.95Frs, maintenant
Chateau Camensac 1989 , 56.50Frs, 2/4 ans
Chateau Lamothe Bergeron 1989 Cru Bourgeois, 35.95Frs, 2/4 ans
Chateau la Lagune 1990 , 79.95Frs, 4 ans
Chateau Haut Myles 1992 , 14.50Frs, 2/4 ans
Chateau Sigognac Cru Bourgeois 1989 , 28.95Frs, 2/4 ans
Villages Cairanne les Grands Cailloux 1990 , 16.50Frs, maintenant
Gigondas Chateau Saint Andre 1990 , 25.95Frs, maintenant
Chateauneuf du Pape Domaine du Grand Coulet 1991, 44.70Frs, 4 ans
Chateau Goudray 1990 , 15.95Frs, 4 ans
Villages Domaine de Gentilly 1992 , 16.50Frs, maintenant
Domaine Grange Menard 1992 , 11.95Frs, maintenant
Julienas Domaine des Quatre Chemins 1992, 19.95Frs, maintenant
Passetoutgrain Laboure Roi 1991 , 16.50Frs, maintenant
Chassagne Montrachet Laboure Roi1990 , 39.95Frs, mainenant
Hautes Cotes de Beaune Rouge Laboure Roi 1990, 22.50Frs, 2 ans
Mercurey Laboure Roi 1990 , 27.95Frs, 5 ans
ミッシェルに会ったのは、一つには頼んでおいたメモリーを受け取るためでした。何しろ最近のメモリー相場の急騰、待てば安くなると思ってところが大慌てです。とにかく8MBでは窮屈だったので、バカンスでアメリカに出かけたミッシェルに頼んだのでした。
ところがこれが一騒動。まず、メモリーモジュールがバカでかかった。普通、4MBのモジュールなら4Mの石を使うはずなので、ゲジゲジが8個並んだ小さな基板のはずです。Mac II用はそれにPAL チップがつくはずなので、計9個の石が並んでいる基板を想像していました。
と・こ・ろ・が、一番安いモジュールを頼んだら、実に33個のゲジゲジが並んでいたのでしが。こんな巨大な基板が入るのかと思ったら、実に匡体やHD台とわずか紙一重という間隔で、ちゃんと収まりました。
さて、いざ立ち上げたら、昔懐かしい(?)ピアノを乱打する音。そう、メモリー・エラーの音でした。最初はモジュールの不良かと思い、半ばあきらめつつ試行錯誤したところ、結局コネクター部分の接触不良とわかりました。モジュールを何度も着脱している間に、基板を抑えるプラスチックの爪が全て折れてしまったのです。
これはさすがに困った。緩んだ状態では立ち上がってくれない。迷った挙げ句、ワインのコルクを小さく刻んで、基板の間にはさみ、強制的に接触させるようにしたのです。これで何とか無事使えるようになったのですが、基板の間にコルクなんかかましていて大丈夫なのだらふか?
20MBという巨大空間は実に快適ですが、いつメモリーが接触不良を起こしてスタックするかが不安だ....
キオスクで立ち読みしていると、確かに文句言われます。町中にある雑誌専門の本屋も同様。大きめの本屋で雑誌も本も扱っているようなところが郊外にはよくあるけれど、そういう所は多少寛大みたい。
JUNKUで雑誌の立ち読みが出来なくなったら、客の数は4分の1になるでしょうね(笑)。私はといふと、毎週雑誌の入荷される木曜、2時間かけて週刊誌(漫画を含む)15冊を一気に読んでします。その後は腰がだるくって....。20代前半の頃は、7、8時間の立ち読みも苦でなかったと思うと、やはり歳と運度不足を痛感してしまう。
同席していたワイン好きの者が「これは旨い!」と叫んでおりましたゆえ、たまたま当たり年だったのかもしれませんね。手帳のVins de Franceを覗いて見たら、1988のRhoneはBonne anneeでした。あんまり関係ないか。同時に飲んだボルドーの安ワインが、舌にからみつくような重さに感じました。それとの比較でクセを余り感じなかったのかもしれない。
実はアルマニャック以外に、みやげ代わりにワインも何本か買っていこうかと考えています。今は価格差がそれほど大きくないと思うので、なるべくフランスでないと中々買えないようなワインを選びたいと思うのです。500Frs/6本を上限として、何かオススメはありませんか?比較的軽目、アペリティフにちょうどなのがいいかな、などと思っています。
昨日、アブデル宅で恒例?のクスクス・パーティがありました。いつもいつも手ブラでは申し訳ないと思い、昨日はワインを買っていくことにしたのです。時間は既に8時近く、土曜なのでスーパーはもう閉店。しかし、ウチからイタリー広場へ向かう途中に、土曜も営業しているカーヴが一軒あるのです。ここ、前からチェックをしておりまして、「地球の歩き方」にも紹介されているそうです。
さてさて、いざ買おうにもワインの知識はゼロ。ここは店の人に任せることにしました。「今日、これからクスクスを食べるのだけれど、それに合う赤ワインを1本ほしい」。予算を伝えて選んでもらったワインが、
DeLas CROZES-HERMITAGE 1988 価格:49Frs
でございました。このワイン、下戸の私がグラス1杯半も飲んでしまった旨さです。軽やかな風味、咽越しの爽やかさはクスクスにぴったり。アブデル他、みなこのワインを称賛しておりました。
私が認知科学を知ったのは、会社の同期の者からです。彼は人工知能の研究をしておりまして、彼のカミさんが大学で認知科学を研究していたのでした。学会成立の過程は存じませんが、学者の系列を見ると、発達心理やシステム工学から入っていった人が多いようですね。
発達心理の対象の一つが言語認知であり、それを臨床的に実証するために大脳生理学が用いられますから、心理学、言語学、神経学で構成されるという結果になるのでしょう。私は発達心理と非言語コミュニケーションからアプローチしました。
フランスは発達心理学の研究が盛んだし、いろいろな教育モデルを提唱した国です。認知科学の土台もその辺りにあったのでしょう。
一度「灰色の文献」という直訳を目にしたことがありますが、なんかおかしかった。そうそう、説明の時に失念しましたが、アメリカ政府の研究レポートが、公表可だと白表紙→ホワイト、機密文献が黒表紙→ブラックだから、中間のものはグレイだ、という説もあるそうです。
考えてみたら、来週の今頃は、もう帰国に向けて空港に出発しているところであります。日本ですませる用事の準備が全然できていない。
アポを取った人への手土産として、アルマニャックを注文しました。前にも書いたかも知れませんが、私の同級生の一人に、実家でアルマニャックを醸造しているという者がおりました。トゥール・ダルジャン御用達というナカナカのブランドだそうです。ウチに遊びに来た酒好きは、うまいうまいと言って、一晩でボトル半分を空けてしまいました。
シャトーに直接注文したので、値段はバカ安でした。価格の方は、ちょっとワケありなので内緒ですが、まあ驚くべき値段です。ちゃんと免税書類まで作ってくれました。
ここのシャトーはボルドーの近くにあります。希望者の見学や試飲も歓迎するそうです。訪れたい人は醸造元に紹介いたしますので、是非御一報下さい。
賃貸契約書によると、家賃は毎年9月1日に値上げということになっています。値上げ幅はINSEE発表が発表する第3四半期の平均賃貸料対前年同期比に応ずるとなっています。
それで、8月末に連絡したら、まず第一声が「えっ、値上げ? そうかそうか、すっかり忘れていた」
薮蛇となってしまった。そして今日、新家賃が通知されてきました。大ボケをかましてくれた割に、なかなか几帳面な大屋さんで、手紙にはちゃんと算出根拠から計算過程まで載っていました。で、いくら上がったかというと、結局22Frsでした。
無論、去年の今ごろの為替レートを考えれば、円ベースでは1年で大幅な低下であることに変わりありません。
毎週木曜になると、速読が特技でよかった、とシミジミ思うのです。本日は恒例の「立ち読みの日」でございました。
いつもより1時間ほど早い午後2時に日本書店「JUNKU 」に到着しました。先々週、ちょっと出遅れたばかりに、「スピリッツ」が売り切れてしまうという悲劇に遭遇したのです。必ず3時には着くよう、万全の体制を整えたのでした。おかげで今日はまだ人垣ができる前、2時間半かけて、漫画週刊誌6誌、週刊誌7誌、月刊誌3誌を一気に読んでしまった。
数年前の海外出張はちょっとした大名旅行でした。無論、商社マンのように海外出張が常態化しているところはたいへんだったでしょうが、私の会社ではせいぜい2年に1度もあれば多い方だったので、結構贅沢でした。
航空機はビジネスクラスです。出張中にルート変更がよく生じるため、というのが理由です。同僚の中には口実をでっち上げて、大西洋路線でコンコルドに乗った者もおりました。まあ、これは超例外。
ホテルはたいてい四ツ星デラックスです。なにしろ、部屋に電話が必要、ファックス、テレックス完備で日本から予約可能となると、インターコンチとかメリディアンになっちゃうんですね。
複数の国にまたがると、両替のテクニックなんてのも出てきます。会社から仮払いで支給される資金は、ウチの研究所では円かドルでした。で、フランスやドイツに行くときは、現地で両替した伝票を基準にして、最終的に円換算するのです。
ここにポイントがある。ホテル内のどえらく悪いレートでほんのちょっと両替し、精算にはその伝票を使う。実際の支払はカードか市内の有利なレートで両替した現地通貨を使うのです。私は7年前の出張で市中1ポンド=220円のところ、会社には254円で精算してしまった。
弁解のようですが、これは利益を出すためでなく、チップに要するコストを相殺するためなのですよ。なにせイギリスなどはホテルのチップがバカにならないけど、支払とは別に発生するチップは領収書がないので会社に請求できない。結構悲しいサラリーマンの自己防衛なのでした。
最近は随分せちがなくなったようですね。航空便も全てエコノミーで、単なる往復の場合は団体チケットを購入しなきゃいけないようです。先日泊りに来た同僚も、「予算が厳しい。泊めてくれないか?」とメールでヘルプして来ました。TGVも2等でしたから、ほんと、時代が代わったと思ってしまった。
フランスだと第一次世界対戦の記憶の方がナマナマしいような気がします。なにしろ、「このアパートは戦前の建築」なんて言う場合、第一次世界対戦前を意味しますから。
それにしてもフランスにとって宿敵だったドイツと、ここまで相互依存を深めている現実。したたかというか、現実的というか、はたまた恐怖を繰り返したくない苦肉の策というか、うなってしまいます。特に日韓関係を考えると、複雑な気持ちにならざるをえません。
日本の戦争責任について、一部に欧米列強の植民地政策との比較で人種的偏見を指摘するジャーナリストや政治家がいます。いろいろな意見はあるでしょうが、私は今更ながら「勝てば官軍、負ければ賊軍」という現実を痛感してしまうのです。良し悪しは別にして、ですが。
そう言えば、シャンゼリゼに交わる「ルーズベルト通り」だって、第二次大戦のパリ解放を記念したものですよね。
今日、ひさびさにセルジーの学校に行ってみました。既にレターボックスも新入生用に替わっていたため、完全にOB気分です。学長に会ったところ、ディプロム授与式は11月3日だとか。まあ、ヘボをやらかせば、当然縁のない式になるわけですが。
11月3日は日本の祝日で、121代天皇の誕生日だという話しをしたら、すかさず歴代天皇の誕生日を全て祝日にしているのか?と突っ込まれてしまった。
一瞬考えてから、初代天皇の即位日、121代及び123代天皇の誕生日のみを祝日にしていると答えました。なまじこんなことを答えると、なんでその代だけと突っ込まれるに決まっている。考えてみると、神武天皇即位には一応建国という名目が立つし、昭和天皇の誕生日も長らく祝日だったので、その習慣を残したと尤もらしい口実がつく。でも、明治天皇の誕生日がそのまま祝日として残った理由がとっさに浮かばず、この場は「一種の革命記念日ですよ」とごまかすしかなかった。
実は日本の祝日は案外と説明しずらいのです。春分・秋分などはお彼岸と結びつくので楽なのですが、東京オリンピック開会の日が国民的祝日になったということも、その歴史的意味を説明しないといけない。敬老の日とか勤労感謝の日になると、自分自身が由来を知らないので、ごまかしようがない。総務庁当たりから、何か説明資料でも出ているのだらふか。
そもそも「牡蛎のツラ」や「ケーキのかけら」が悪態といのも、論理的に考えたのでは分からないですよねぇ。気持ちは分かるけど。ほんと。
高校時代、突然「すりこぎ野郎!」という悪態を叫んだヤツがおりました。後から皆で意味を聞いたら、「いやぁ、ただ突然思い付いただけなんだ....」悪態の真相なんて、こんなものかも。
前にフランスの新聞にも、年間消費料が減ったなんて記事があったような気がします。何でも、ビールやウィイスキーなど他のアルコールにシフトしたとか、飲み過ぎに注意するようになったとか、尤もらしいことが書いてあったような気がします。この辺り、ちょっとあやふやモード。確か大人の年間平均消費量が、3桁リットルだったと思いますよう。こりゃやっぱ飲み過ぎだと思うわな。
そういへば、もうすぐボージョレ・ヌーボでしたよね。ということは、フランスで一番安いワインが登場する季節も近い。一番安いワイン、それは売れ残り3ヶ月以上経ったのボージョレ・ヌーボ、2.50Frs/75CLであります。
ブルターニュを旅行したとき、ティエリーの家で宴の後に「デザート用のウィスキー」なるものが出てきました。アブデルが食後酒にはこれが最高と言っていたものです。色はちょっと茶色かかった白で、確かにウィスキーの風味はあるけれど、とろとろクリーミーな風味。液体というより流体で、本当に「デザート用」という感じでした。あれわ私にも食せてしまうので、危険このうえなかった。
さっそく買いたての辞書3冊で調べてみました。これらは意味というよりも、上位概念や共通概念を調べるためのものです。
cretin → bete(Trouver le Mot Juste)
cretin → diminuer , ignorer, sot(Disctionaire des Idees par les Mots)
Sottise - Sot, triple sot ; benet ; beta, cretin, dadais, imbecile, ...
(Thesaurus Larousse)
goitreux → glande(Disctionaire des Idees par les Mots)
Malformation - Bec-de-lievre, bosse, ..., goitre, ...
(Thesaurus Larousse)
これから考えますと、「cretin」は「愚かさ」を上位概念に持ち、「ばか」「けだもの」との共通概念で使われています。「goitreux」は「腫れ物」と同一概念となりますが、「goitre」でシソーラスを引くと、「奇形」を上位概念に持つことがわかる。
これらに相当する日本語は、cretin が「ぱあぷりん」、goiteur が「***」となるでしょうか。そのものずばりの言葉はいずれも放送禁止用語ゆえ....
非常に誤解を受ける言い方かもしれないが、我々には他人の不幸を笑うことによって、自分の幸運を確認しようとすることろがあるように思う。世の中の景気が悪い時ほど、こういう差別用語がことさら流布したのではないだろうか?
マナーには、精神と技術の2面があると思うのです。我々が料理のマナーを語る時、ついつい技術面にのみ注目しがちではないだらふか? 反対に、マナーの精神と技術とが乖離し、技術のみが形骸化した結果が我々の周囲にあまりにも多いのではないかと思うのです。
思えば我々の間には実に奇妙な「マナー」が存在します。食事以外でもそうでしょ? 挨拶にしても、ある民族は頬にキスをし、ある民族はタバコを交換し、ある民族は頭を下げる。御辞儀にはそもそも自分の急所(延髄)を晒し、敵意のないことを示すという「絶対的意味」があったそうです。しかし、いまではそんなことを考えて御辞儀する人はいない。
形骸化は一方で手続きの簡略化を果しているのではないだらふか? 手の込んだ料理というものは、無限のメッセージが込められているのではないだらふか?ならば自然なマナーというものは、そのメッセージを受信できてはじめて可能なのでしょう。形骸化したマナーで四苦八苦するというのは、懸命になってメッセージが聞こえるふりをしている態度なのではないだらふか。
カミさんの滞在許可更新と運転免許申請が終わった後、久々にオデオンでお茶してきました。今月は定期を買わないつもりだったので、その後はぷらぷらと散歩しながら家に帰ることにしました。
サン・ミッシェル通りに出たところでジベール・ジョセフにぶつかったので、ちょっと辞書を覗いてきました。そしてら結構新古本の辞書が揃っていたので(さすが新学期間近)、先日話題になったテゾリュス他3冊買ってきました。
THESAURUS, Larousse (300Frs)
Trouver le mot juste, Paule Rouais, Livre de Poche 7939 (46Frs)
Dictionnaire des Idees par les Mots, Robert (126Frs)
この中で結構めっけものと思ったのが、2番目の「Trouver...」です。これにはある単語の同意語だけでなく、名詞の場合はそれを用いるべき動詞も載っています。ポケットサイズなので、かさばらないのがいい。3番目は「Trouver...」とほぼ同じ内容ですが、これは索引が充実しています。両方は必要ないと思いましたが、安かったのでつい買ってしまいました。
近くの外国語辞書コーナーで、クラウンやコンサイスの仏和辞典を見つけて、ちょっと感激。
映画「タンポポ」の中で、マナー講座を行っているそばで、スパゲティをずーずーすすりながら食べるイタリア人が映るシーンがありました。それを見てマナー教室に参加していた生徒たちも、一斉にずーずー始めるというやつ....。
毎年INALCOなどの主催で「日本語スピーチコンテスト」が開かれます。昨年は覗いてみたのですが、確か入賞したイタリア系フランス人の女の子が、この話をしておりました。
最近箸なれしたアメリカ人は増えているようですが、フランス人はまだまだ不慣れな人が多いらしい。アブデルが慣れない箸(baguettes)を使って冷奴と格闘している様は、なかなかの苦悩ぶりでした。私の友人ではトマが結構うまい。バンドでドラムをやっていたから、棒に慣れていたのだらふか。
93年当時に使っていたパソコンはMacintosh IIである。モトローラの68030/16MHzを採用したこのマシン、購入したのは87年12月のことであった。いくら製品寿命の長いMacといっても、そのまま6年も使い続けることは難しい。ここまでもたせることができたのは、2月の一時帰国の際にアメリカ人の元同僚に頼んでアメリカの通販業者からDaystar PowerCashという68030/40MHzのプロセッサを購入し、本体のチップと換装したからである。これでMacが三年若返った。
しかし、メモリは8MBのままで、当時としてもけっこうギリギリである。すでに旧式となっていたMac IIの場合、PALという特殊なタイプのメモリでないと装着できなかった。おまけに世界的に4Mbit DRAMが品薄でメモリ価格が急騰し、Macの需要が米国に比べて少ない日本では、Mac II用PALメモリを安く買うことは不可能だった。
そんななか、ミッシェルというフランス人の友人が仕事で渡米することになり、PALメモリを探してくれることになった。ミッシェルと知り合ったのは、CalvaComというフランスのパソコン通信サービスがきっかけである。このネットの歴史は案外と古く、しかも1990年に藤野満さんという人が日本から入会していた。そしてCalvaComの「Soleil Levant」という電子会議室とNIFTY-Serveの外国語フォーラムとのあいだで、メッセージを相互に転載することになったのだ。転載はすべて藤野さんが手作業で行っていた。そして何人かのCalvaComユーザが常連として定着するようになった。
CalvaComで忘れられないのは、フランス人新婚カップルの歓待プロジェクトである。CalvaCom常連の友人が新婚旅行で日本を訪れることになり、どこかオススメはないかといったメッセージを投稿した。それを受けて、外国語フォーラム側でさまざまなプランが練られたのである。
フランス定住後、わたしはCalvaComに入会し、何度かCalvaCom側でメッセージを投稿したりもした。そのCalvaComで長らく中心メンバーだったのがミッシェルである。彼はソフトウェアのエンジニアであった。お互いの家を何度か行き来したこともある。彼もまたMacユーザだったので、わたしのためにいろいろなソフトを教えてくれた。あるときわたしが「メモリを増設したいのだけどモジュールが手に入らない」とボヤイたのだが、そのことを覚えてくれていたのだ。
非常に親切な人で、アメリカのパソコン・ショップでモジュールが見つかるや、わざわざうちまで国際電話をかけ、値段を知らせたうえで買うかどうかの確認をしてくれた。もちろん即依頼し、二週間後、メモリを受け取ることができたのである。増設後、Mac IIはいっそう使いやすくなり、その後さらに使い続けることができた。このMac II、1993-94年版の『地球の暮らし方 フランス編』にもじつは写真の一角に登場したのであった。
(2006.3.2記)